ポジティブなだけがいい生き方ではない
私達は物心ついたときから「明るく元気な子」ばかりが「いい子」という価値観が刷り込まれています。
子供時代だけでなく会社に就職をしてからも「若者らしくハキハキ話せ」「若いんだからもっとじゃんじゃんチャレンジしろ」といった要求を受けていくことになります。
誰かと初めて会うとき、暗くボソボソとしか話をしない人よりは、しっかり目を見てはっきり話をする人の方が印象がよいということは確かです。
しかし人の性格は誰ひとりとして同じことがないように、全ての人が明るく元気に振る舞うことが得意というわけではありません。
対人関係においては多少無理をしてでも明るく振る舞わなければならない場面がありますが、普段の思考まで完全にそうしなければいけないということはないのです。
むしろ多少のネガティブ思考は自分の身を守ったり、慎重な行いをしていくことにもなりますので、それも自分の個性として良い方向に使えるように伸ばしていくことが勧められます。
同じネガティブ思考でも物事の悪い面ばかりを見て悲観するのではなく、楽観的ではなく悲観的に将来を予測して動くということならば十分よい生き方につなげていくことができます。
仕事で生かせるネガティブ思考とは
仕事をしていく上で必要になるネガティブ思考として「懐疑的になる」ということがあります。
特に経営者や営業の陣頭指揮をとっていく立場の人の場合、楽観的な考え方ばかりしていては突然大きな損失を作ってしまうこともあります。
というのも多くの人は自分にとってよい情報をより記憶に残すものなので、ついよいことばかりを前提に動いてしまうからです。
しかし仕事をしていれば不測の事態は必ず起こりますし、小さなミスが思わぬ炎上になって大損失につながってしまうということも珍しくありません。
そうした場合に備えることができるのがネガティブ思考で、将来のもしかしてに備えてリスク管理をしたり、問題が発生しても最悪の事態にならないように早め早めに対策をしていくことができます。
ネガティブ思考で行う業務として特に向いているのが研究職で、成功すること前提ではなく失敗を前提に製品開発などをしていくことで、耐久性の高い問題の起こりにくい成果物を作っていくことができます。
ポジティブ思考とネガティブ思考はその人の特性なので、無理に何かをしようとするのではなく自分の適性にあった場所で仕事をしていくということが最も重要になります。
自分の個性と違う人と一緒に仕事をしていくことでお互いを補いよりよいものを作り出すこともできます。
ポジティブ思考の人はネガティブ思考の人を、ネガティブ思考の人はポジティブ思考の人をパートナーにしていくということもおすすめです。